日本財団 図書館


 

058-1.gif

Fig.3 Gas volume rate for time lapse

058-2.gif

Fig.4 Effect of salt concentration on generated gas volume rate

4−2. 気泡ポンプの流動様式
管直径9mm、全長3300mmの揚水管を用いて人工海水とPEO−18を100ppm添加した人工海水に対する電解発生気泡ポンプとコンプレッサーによる気泡ポンプの気液二相流を可視化して求めた流動様式をGriffith-Wallisの流動様式線図10)と比較してFig.5に示す。ここにFrとβはそれぞれフルード数と気体体積流量比で、液体の見かけの流速をWLO、気体の見かけの流速をWGO、重力加速度をg、管直径をDとしてFr2=(WOL+WOG)2/gD、β=WGO/(WOL+WOG)で表される本実験範囲では電源容量が小さかったため電解発生気泡ポンプの気体発生量が少なく、気液二相流は気泡流となっている他方、コンプレッサーを用いて吹き込む空気量を増した場合にはスラグ流、フロス流と環状流になっている。ビデオカメラで撮影して求めた流動様式は気泡流とスラグ流の境界付近で若干異なっているが、これは流動様式線図を便宜上片対数と実尺を混在させて表記してあるためで、基本的にはGriffith−Wallisの流動様式線図に近い。なお、Fig.5の流動様式線図に対応する気液二相流の写真例をFig.6に示す。Fig.6で(a)は人工海水の気泡流を、(b)はPE0を100ppm添加した人工海水の気泡流を、(c)は人工海水のスラグ流を、(d)は人工海水のフロス流を、(e)は人工海水の環状流を示しているなお、本実験ではFig.5に示すようにスラグ流と環状流との境界に明瞭なフロス流の存在が確認されている。また、写真では判別しにくいが人工海水にPEOを100ppm添加すると約12%表面張力が小さくなり、このため気泡はFig.6(b)に示す気泡流では(a)の場合に比べて鉛直方向の上下部で表面張力に比例して曲率半径が小さくなっている。

058-3.gif

Fig.5 Flow regime of gas-liquid flow

058-4.gif

Fig.6 Gas-liquid flow in gas-lift pump

4−3. 気泡ポンプの揚水特性
一般に気泡ポンプの揚水特性は供給空気量QGに対する揚水量QLで表されている4)。人工海水とPEOを100ppm添加した人工海水に対する電解発生気泡ポンプの気泡流領域での揚水特性をFig.7に示す。図中のσは浸水率(=気体供給部までの水深と揚水管の高さの比)である浸水率は基本的には流動状態の影響を除外した場合に気体供給部で供給される気体にかかる水圧と考えることができる。従って、揚水管の高さを一定にした本実験では浸水率は水圧に比例し、発生気泡の大きさと形状に影響する。Fig.7に示すように供給空気量が増加していくと混入気体の浮力に基づく揚水駆動力が増すために揚水量は増大

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION